小田和正『ラブストーリーは突然に』ってどんな歌?意味について解説

小田和正さんが1991年にリリースした歌で、君と僕の恋について歌ったものです。

この歌は結局どういう恋の歌なのか?というと、友達以上恋人未満だった君と僕の関係が恋人同士になった記念すべき日に、出会った日から今日この日まで、僕の心の移り変わりを物語にした素晴らしい歌なのです。

本当はもっと壮大な歌物語なんだけど、今は敢えて伏せておきます。最後まで読んだ方だけにわかるようにしています。

よくね、ラブストーリーは突然には失恋の歌とか恋の絶頂にある歌とかって聞くんですけどそうじゃないんですよね。

それを証明するために歌詞を織り交ぜて一つ一つ解説していきます。

何から伝えれば良いのかわからないまま時は流れて浮かんでは消えてゆくありふれた言葉だけ。君があんまり素敵だからただ素直に好きと言えないで多分もうすぐ雨も止んで二人たそがれ。

ラブストーリーは突然に

もしも、僕に自信があったならありふれた言葉でもそんなことは気にせず自分の思いを伝えているんだろうな。

でも、自信がないからありふれた言葉だと思い込んで黙り込んでしまう・・・。

君が素敵だから素直になれないというのは言い訳で、自分の心の中では、好きでたまらない。

でも、それを伝えると今の関係が壊れてしまうかもしれないという恐怖心で僕は何も言えなくなってしまっている。

この恐怖心の裏には、どうせ僕の思いを伝えたところで自分には振り向いてくれないという諦めの感情が込められ、諦めや悲しさの感情が雨に掛かっている。

だから、この曲は切なさを感じさせるのです。

こういう切なさが感じられるからこそ『失恋の歌』と勘違いされるのですが、歌をしっかり味わいながら聴くとそうではないのが分かります。

あの日あの時あの場所で君に会えなかったら僕らはいつまでも見知らぬ二人のまま。

ラブストーリーは突然に

思いを伝えなきゃ・・・と僕が自分を奮い立たせるために、君と出会った時のことを思い出し、もしあの場所で出会ってなかったら僕たちは他人だったんだ。

その時のように今自分の想いを伝えないと・・・。という焦りがこのくだりには込められています。

出会った当時は何気ないきっかけだったからすっと自然に話しかけることができたのでしょう。

しかし、今は、君との関係を更に進展させたいけど今の関係が壊れることに恐怖を感じて思いを伝えられない。

1番の歌い終わりも『二人の・・・まま』と、二人に距離感があることを表現するかのように間を持たせています。

誰かが甘く誘う言葉にもう心揺れたりしないで切ないけどそんな風に心は縛れない。明日になれば君をきっと今よりもっと好きになるそのすべてが僕の中で時を超えてゆく。

ラブストーリーは突然に

ここから2番に入っていくわけですが、出だしで二人の関係が『友達以上恋人未満』という状況にあるのが分かります。

君と僕の関係が恋人同士でもなんでもないのなら、僕以外のほかの男から誘われてそのまま恋人になってしまうかもしれない。

しかしそれでも僕は心を縛って君を自分のものにはしたくない。むしろ自分の魅力を伝えて僕を好きになってほしいと願っている。

明日になれば今よりもっと君を好きになるし、明後日・明々後日・1か月後・半年後・1年後・5年後・10年後・・・はもっともっと君を好きになっている。

そうした未来を今この瞬間に僕は感じているんだ。

私は『そのすべてが僕の中で時を超えてゆく』という歌詞がものすごく好きで、聴くたびにゾクゾクします。

なぜかというと明日以降の未来という時間軸、今を超越した時間をこのフレーズに凝縮しているからです。

何日後とか何年後とか明確な時間を指すのではなく、そのすべてを包括する表現に『生涯を共に』という未来像さえも掻き立てられ、小田和正さんの天才的な歌詞センスを味わえる箇所だから好きなのです。

君のためにつばさになる君を守り続ける柔らかく君を包むあの風になる。

ラブストーリーは突然に

この部分の歌詞には『僕』という言葉が入っていないことで二面性を持ったユニークな表現法だと私は解釈しています。

なぜかというと、女性が聞けば自分は好きな男性から守られているという気持ちになれます。

そして、男性が聞けば好きな女性を優しく包み込んで守っているんだという気持ちになれるからです。

メロディーと相まってここがラブストーリーは突然にの一番のサビの部分で感情の起伏で言えばクライマックスになります。

ですので恋の絶頂を感じさせる箇所でもあります。

こういう理由から、恋の絶頂にある歌とも勘違いされがちなんですが、これはあくまで僕の心の中での出来事なんです。

君と僕との関係はまだ恋人にはなっていない状態、恋人未満のままなんですよね。

あの日あの時あの場所で君に会えなかったら僕らはいつまでも見知らぬ二人のまま、今君の心が動いた言葉とめて肩を寄せて僕は忘れないこの日を君を誰にも渡さない!

ラブストーリーは突然に

二人で同じ椅子に座り同じ景色を見ながら『あの時出会わなかったら他人だったんだなぁ』と、僕は、君と同じ時間を過ごせることに幸せを感じていた。

すると、不意に彼女が言葉を止めて僕の肩に寄りかかってきた。

この時僕は初めて彼女の気持ちが分かった。

僕は本当にバカな男だ。

君がこんなにまでして勇気を見せてくれているのに僕はというと恐怖心で自分の気持ちを伝えることから逃げ続けていたなんて。

僕は絶対にこの日を忘れない。そして誓う!君を誰にも渡さない!と。

君のためにつばさになる君を守り続ける柔らかく君を包むあの風になる。あの日あの時あの場所で君に会えなかったら僕らはいつまでも見知らぬ二人のまま、誰かが甘く誘う言葉に心揺れたりしないで君を包むあの風になる。

ラブストーリーは突然に

君のためにどこへでも連れて行くし、守り続けるし、いつでも君の味方で居続ける。と、僕は君に告白をした。

あの時出会えなかったら他人だったかもしれないけど、今こうして僕の告白を受容れてくれた。他の誰かから言い寄られても僕だけを見続けてくれていた。

そんな君の僕への想いに必ず応えるよ。君を生涯守り続けると。

あの日あの時あの場所で君に会えなかったら僕らはいつまでも見知らぬ二人のまま。

ラブストーリーは突然に

君と僕が出会ってから何十年という時が過ぎ、ふと昔のことを思い出した。あの時に出会わなかったら今こうして一緒にはいられなかったんだな・・・。

君が居たから僕の人生は幸せに満ち溢れたものになったよ。本当にありがとう。

歌い終わりの『見知らぬ二人の・・・まま』にあけられた間はどういった意味なのかは敢えてここでは書きません。

『ラブストーリーは突然に』は、君と僕との恋をメロディーに乗せた素敵な物語です。幸せを感じられる歌なので、今聴いても本当に素敵な歌で感動します。

Youtubeでは今でもカバー曲を公開する人もいるくらい愛されています。その理由は幸せを感じる曲だからでしょう。

素敵な歌をこの世に生み出してくれてありがとう。

幸せを感じさせてくれてありがとう。

小田和正さん最高だよ!

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