魔女の宅急便の感想と宮崎駿が伝えたい事を読解!メッセージ性は何か

2018年1月13日

魔女の宅急便が再び茶の間に戻ってきましたね!この映画は何度もみて感動をしましたが、映画監督の宮崎駿さんは観賞する人たちに何を伝えたかったのでしょうか?この記事では、宮崎駿さんがアニメに込めたその思いを読み解いていきます。

夢の実現に向けて行動しよう

映画を見る人によって感想は異なります。しかし、宮崎駿さんが原作小説をわざわざアニメ映画として世に発表したからには原作者の思いに強い共感を覚え、小説を読むのを苦手とする人々にアニメを通じて広く世の中に伝えたいという思いがあったに違いないのです。

原作者が作品に込めた思いとは『夢を忘れてしまった大人に夢を思い出してもらいたい』という事なのです。アニメのどこをみたら原作者と宮崎駿さんの伝えたかったことがわかるのかを書いていきます。

人の闇の部分を垣間見て現実を知る

『私このパイ嫌いなのよね』パーティー会場に料理を届けたキキに対して受け取り主の女性が言った言葉でキキは心に大きな傷を負うことになりました。キキはこの言葉で現実を知ることとなりました。

私たちは子供から大人になるにつれ現実という世界が見えてきます。子供の頃に抱いていた夢はいつしか現実を突き付けられることで消えていきついには諦めてしまうにまでに至ります。

人が夢を諦めた瞬間を見事に表現したシーンこそが、母からもらった魔法のほうきが真っ二つに折れてしまうシーン。キキが魔法を弱くなったと感じ崖を駆け下りながら空を飛ぼうと試みるものの空を飛べずにほうきが折れてしまうあの場面です。

私たちは夢を追いかけるのを一体いつ諦めてしまったのでしょうか?夢を実現させようとする努力を一体いつ諦めてしまったのでしょうか?ほうきが折れる場面は私たちが挫折した時を意味していたのです。

なぜキキはジジの言葉が聞こえなくなったのか?

素直な心を失ってしまったから。これは私たちに何を訴えかけているのかというと、夢に対する素直な気持ちを捨ててしまったらこういう現実になりますよと言っているのです。

自分の気持ちに対して素直になれなくなると夢は遠く離れてしまい、見ることも聞くこともできなくなってしまうのです。

キキはウルスラの家に泊まることで、ウルスラの画家としての思いを聴くこととなります。ここでは夢を実現させるための方法を教わります。失敗しても立ち上がることを学びます。空を飛べなくなったキキはもう一度空を飛ぶためのきっかけを得ることとなりました。

飛びたい!その思いが魔法の力を呼び戻した

夢が実現するとき情熱が必要となります。キキが空を飛びたい!と強く思っていたように、私たちのそれは一体何でしょうか?

情熱は行動を伴います。どういう行動を起こせば実現するかは夢を持っている本人は知っているはずです。ただそれをやり続ければ良いだけなのです。

キキが空を飛ぶ魔法の力を取り戻すきっかけはトンボを助けたいという気持ちからでした。そして空を飛ぶ魔法の力が戻ったことでトンボを救出する感動のシーンを見ることができたのです。夢がかなったときの感動を救出シーンの感動で表現をしているのです。

やさしさに包まれたならの歌詞の意味

魔女の宅急便のエンディングテーマ曲は松任谷由実が作詞作曲し歌った歌で『やさしさに包まれたなら』というタイトルです。この歌は魔女の宅急便に込められた思いのすべてが凝縮された名曲中の名曲です。

1974年4月20日に東芝EMIからリリースされたものすごく古い曲なのですが、リリースから15年後の1989年に公開されるアニメ映画魔女の宅急便のために生まれてきた曲と言っても過言ではないのです。

以下私が解釈している内容です。

子供の頃は神様(という名の自分)がいて夢をかなえてくれていた。でも大人になるにつれいつしかそれも叶わなくなっていった。でも、優しい素直な気持ちにもう一度目覚めることができたなら大人になっても子供の頃のように夢は叶うよ。

今までその景色を邪魔をしていたカーテンを開くこと(カーテンを開く動作は自身の行動を意味している)で、自分が望んでいた安らぎの景色は目の前に広がり夢の世界へと導いてくれるでしょう。

子供の頃は神様がいて毎日愛を与えてくれていた。大人になるにつれそれは当たり前のことと思うようになり、愛とは何なのかがわからなくなってしまった。

神様から与えられ続けていた愛を思い出すことで(大切な箱開くときは今とは過去の記憶の扉を開くことを意味している)悲しかった出来事は過ぎ去り、幸せだったことに気づき感謝できるようになるでしょう(クチナシの花言葉は幸せ者を意味している)。

過去を思い出すことで木々の隙間から陽の光が差し込むように夢を明るく照らし出すでしょう。

松任谷由実が作詞作曲し歌った『やさしさに包まれたなら』は、リリースされてから44年が過ぎましたが(2018年現在)今なお色あせることなく歌詞に込められた思いが私たちをやさしく包んでくれます。

そして、魔女の宅急便のエンディングで流れるこの曲にかぶせて、トンボたちが人力飛行機の離陸を成功させているエピローグは、この作品で言いたかったことはこれなんだ!という宮崎駿さんの非常に強いメッセージを帯びているのです。

そして、オソノさん夫婦の間に子供が誕生したこともまた夢の実現を示すエピローグの一つと言えるでしょう。

やさしさに包まれたならを歌った松任谷由実さんと、アニメ魔女の宅急便を発表した宮崎駿さんの思いに応えるためにも、自分の心から忘れ去られてしまった夢を取り戻さなくてはなりません。

魔女の宅急便の面白さとは

大人である私たちが忘れ去っていた夢を思い出し、夢を実現させるまでの順序を見せているところに面白さがあるのです。宮崎駿さんは、原作を読んで強い共感を覚えたからこそアニメを通じて読書に縁のない人にもこの素晴らしさを伝えようと作品に思いを込めたのです。

そして『自分らしくあれ』というメッセージも込められておりエンディングでウィンドウショッピングをしているキキの横を母親に連れられた小さな女の子がそのメッセージを代弁しています。

キキの紺色のドレスにデッキブラシを手に持ち、キキファッションに身を包む姿は観賞する者に対して『ありのままでいいんだよ』と心に訴えかける名場面であり、安心を得られる面白さがあるのです。

子供の頃のように夢をもう一度思い出して挑戦してみよう!

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