ちはやふる結びの映画の感想は面白くなかった!漫画ファンが語る理由
ちはやふる結びを観に行きました。
新推しの私が一言で感想を言うと『激しく期待外れ』でした。でも、太一推しの人が観に行けば面白かったと感想を述べると思います。(ネットの反応では面白かったと答える人が多数です)
ただ、私自身が新推しじゃなくってフラットな感情で見ていても面白くなかったと言わざるを得ない内容だったように感じました。あくまで私個人の意見です。
ちはやふるを読んでる方にメッセージを送るなら、漫画ちはやふるの実写版パラレル番外編作品なので、寛容な気持ちで漫画との違いを楽しみましょう!という事です。
太一を見下していた
原作では、子供のころから強かった綿谷新は、心の奥底で太一を見下していた。私は漫画を読んでいても、見下していたという感覚が良くわからなかったのですが、映画を観ることで、新が太一を見下していた感情を体感しました。
どういうことなのかというと、太一が団体戦において新と対戦するのですが、その結果、新が太一に敗れてしまったのです。
この場面を目の当たりにした時、何とも言えない感情が私の心の中に渦巻きました。こんなちはやふるがあっていいはずがない。私の大好きな新が太一に負けて良いはずがない。
何なのこの映画は?と悔しいでもなく腹が立つでもなく言葉では言い表せない嫌な感情が押し寄せてきた。そっか・・・私、新と同じように太一のことを見下していたんだって気が付きました。
私はどうして新が好きなのかというと、まっすぐで清らかで素直な性格だから。でも実際の私はそんな性格じゃないのは知ってる。太一はずるくて卑怯だ。そっか、私は太一と似たような性格だから、太一が嫌いだったんだ。
このように気が付いたけれど、それでも私はやっぱり新には負けて欲しくなかったし、漫画の中では太一は新に勝ったことがありません。周防さんから学んだ心理戦を駆使しない太一が新に勝てるはずがない。
新贔屓な私だからこう思うのかもしれませんが、漫画の最新巻の状態でなら新も危ないと感じるけれど、結びに出ている太一に新が負けることはありえないし、それはないかなぁって思った。
キスシーンがなかった
ちはやふる結びで一番期待していた場面は、千早と太一のキスシーンでした。広瀬すずさんと野村周平さんがどのようなキスをするのかとても楽しみにしていたのにその場面がなくってとっても残念。
上映前に野村周平さんは、広瀬すずさんに公開プロポーズしてたし、これはあるな~と心の中でニヤニヤしていたのに、期待を裏切られてしまいました。
キスシーンがなかった理由は、広瀬すずさんは超人気女優で、彼女がキスシーンを演じると男性ファンが減ったり、野村周平さんのファンの女性から反感を買ったり、アンチすずの存在が生まれたりで、お金に還元されない反応を制作側が嫌ったからと考えられます。
しかし、ちはやふるは、太一がかるた部を離れた時に呼び戻そうした千早の唇を太一が奪うから物語が盛り上がるのに映画でそれがないのは新推しの私ですらそれはないわーって思いました。
我妻伊織が良かった
映画を観ていて楽しかったのは、我妻伊織と綿谷新とのやりとりでした。原作にはない二人のやり取りで、我妻伊織が新に『付き合ってほしい』と準クイーンらしく強気にアタックを仕掛けるのですが『好きな人がおる』とかわされるのです。
そうした場面が繰り返されるにつれ『おにい』と話しかけただけで『好きな人がおる』と先回りして我妻伊織の気持ちを断ち切る新田真剣佑の演技が面白かったです。個人的には、huluで配信してる繋ぐでのやり取りの方が好きですが(笑)。
漫画を映画化することについて
女優さんや俳優さんが演じるから映画としてたくさんの人が楽しめるわけですが、漫画ちはやふるを好きで読んでいる人もその輪の中に入る必要があると思うのです。
そう考えた時、原作漫画を読んでいる人が喜ぶことは何だろう?と考えると、結びの場合は、千早と太一のキスシーンを盛り込むことだったと思うのです。
ちはやふるは競技かるた漫画だけど、千早・新・太一の三角関係を描く漫画でもありますから、恋愛面も作品に盛り込む必要があります。
漫画ちはやふるの名場面である新の『好きや千早』というセリフは確かに映画でも流れました。しかし、軽すぎる。これは決して新田真剣佑さんのセリフが軽いというわけではなく、脚本がそうさせてしまってる。
映画を観た人の中で『新が千早に告ったよぉ、どうなるんだろう?』とドキドキした人は少なかったんじゃないのかな?と思う。スクリーンに映像が流れる一部に告白の場面があった・・・といった感じでしょう。
現に、映画が終わった後、隣に座っていた人たちから『途中からずっと寝てた』という話し声が聞こえてきたのです。男性の方でしたが、退屈だったのでしょうね。
結局、最初から最後まで『驚き』を感じることがなく、競技かるたをする高校生の物語を描いただけの作品になってしまったと言えるのです。
もし『好きや千早』と新が告白をした場面で驚きを演出していたとするならば、私は化石ともいえる年齢を重ねてしまったことになりますが、そうではないと信じたいです。少なくとも漫画の中の告白には驚きを感じましたから。
2時間という時間の制限がある中で、観る人の心を満たす作品を作るというのは大変な労力が必要になるのだろうなと感じた次第です。
満足感について
初日で土曜日という事もあり満員でした。上映時間30分前に映画館に到着しましたが、空席はほとんどなくて時間を遅らそうかな?と思ったほどでした。初日における観客動員数は、おそらくどの映画館でも同じように満員だと思います。
その理由は、2週にわたって上の句と下の句を金曜ロードショーで放送したことにあるでしょう。
しかし、満足度は動員数で測ることは不可能で見た後の面白かったかどうかの感情によって導かれるものです。私自身がちはやふる結びに10点満点で点数をつけると6点くらいかな。
心が揺さぶられる感動を味わうことができなかったので点数は低くなりました。せっかく恋愛脳を持った『花野菫』が新入部員として入ったのにもったいないなって思います。
アラフォーの星!桜沢先生
ちはやふるといえば、千早・新・太一ですが、お母さん世代の桜沢先生や、猪熊遥さんの登場がなかったことが残念です。
富士崎高校の生徒ではないけれど千早の将来を思ってかるたを取る時の姿勢についてアドバイスを送ったり、合宿参加に誘ったり素敵な先生だったのに、上の句・下の句・結びを通じて存在しなかったのは寂しく思いました。
ところが、セリフだけですが桜沢翠先生の言葉が聞こえてきました。富士崎高校の山城理音がクイーンになる!と宣言した時に涙を流しながら言ったあの言葉です。
『かるたをずっと続けてね。それが難しくても心の中で続けてね。あのきつい練習が、永遠にあなたたちのエンジンになることを願ってます』この言葉が瑞沢高校に敗れた学校のチームの顧問から出てきていました。
映画館に見に来ている人たちの世代を考えると、桜沢先生や猪熊遥さんの存在は出てこないのは仕方がないけれど、このセリフが聞けたことはなんだか嬉しかったです。
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