映画不能犯松坂桃李が語る宇相吹正の感想!パンフレット中身ネタバレ

松坂桃李くんが主演の映画不能犯のパンフレットを購入しました。全身黒で統一された衣装は人の心にうごめく闇を表現しているのでしょう。

物語の主人公の宇相吹正を演じた松坂桃李くんの、映画に対する感想や宇相吹正という人物についてどのように感じているのかを、私の感想も交えてお届けいたします。ネタバレも含みますのでご了承ください。

まず完成した映画をご覧になった感想から教えてください

松坂桃李

非常に面白かったです。ちゃんとエンターテインメントとして成立しているし、あとからじわっとくる怖さもあって、とてもバランスのいい映画だなと思うんです。激しいアクションはないのですが、観る人の感情を動かすという意味ではアクション・エンターテインメントなのかなとも思いました。

私の感想

松坂桃李くんが主演という事で事前に漫画を読んできました。漫画の宇相吹正と映画の宇相吹正が完全に一致していることに驚きました。薄気味悪い表情は背筋に寒気を覚えるようでした。

宇相吹というキャラクターについてはどのように作り上げていきましたか?

松坂桃李

ジャンルとしてもあまり前例のないキャラクターではあるので、衣裳や髪型、あとは監督発案の指のタトゥーなどには助けられました。指にこの奇妙な模様があることで(手の動きで)相手が見るポイントにもなるし、惑わせる要素のひとつにもなるのかなと。

私の感想

人に死を与える死神とでもいいましょうか。存在しないはずのものが現実世界に飛び出てきたような演技でした。人には心がありますが松坂桃李くんが演じた宇相吹正は心がないように感じました。決して取り乱さない姿は全てを見透かしているようでした。

原作でも印象的な”ニタァ”という宇相吹独特の笑い方も、完全に再現されていて驚きました。

松坂桃李

人生でここまで口角を上げて笑ったことはないので(笑)、家で鏡の前で研究しました。監督から”ニタァ”と”ニヤ”の違いはよく言われて、『ここはまだ”ニヤ”ポイントですね』『ここは”ニタァ”です』などと的確に演出してもらいました。

私の感想

沢尻エリカさんが演じる多田刑事が『宇相吹は殺していません』と言った場面に見せた松坂桃李くんの演技が良かったです。誤認逮捕された宇相吹を檻に閉じ込めるチャンスだったのにもかかわらず宇相吹をかばい逃がしてしまう。

『おやおや・・・そんなに余裕を見せても良いのですか?』と宇相吹は言ってないのですが、そのように聞こえました。

”ニタァ”と”ニヤ”の2パターンを使いこなしていたという事でしょうか?

松坂桃李

実はそうなんです。”ニタァ”が宇相吹としては一番マックスの笑いで、依頼人が宇相吹の一種のマインドコントロールにはまってしまった時に出る”やはりあなたもですか”っていうニュアンス。”ニヤ”は、それよりは少し下のテンションの笑い方ですね。

私の感想

多田刑事が『私は希望であなたを殺す!』と宇相吹に言った最後の場面こそが”ニタァ”だったと考えます。映画での松坂桃李くんは”ニヤ”ですらなかったように見えましたが『この僕をそのようなもので殺せるのですか?』と心の内で”ニタァ”と笑ったに違いありません。

宇相吹は邪悪さと同時に、妖艶さも求められたのではと思います。夜目(矢田亜希子)とのシーンは特にそれを強く感じましたが。

松坂桃李

なかなか女優さんの手を舐めるシーンってないですからね。矢田さんには本当に申し訳なかったですけど(苦笑)。あそこも監督は『ペロッではなく、思いっきりベロッと!』と演出してくださって。

白石監督はとてもチャーミングな方で僕は今回大好きになったんですが、どこか真っ黒な闇を抱えてらっしゃるのかなと思うんです(笑)。

だからこそこういう作品が撮れるんでしょうし、あのシーンも普通のキスシーンなんかよりも、どこか妖艶な雰囲気になっているなと思いました。

私の感想

妖艶な雰囲気になって当然ですよ(笑)。だって、原作の漫画では夜目(やめ)と宇相吹は男女の関係になっているんですからね。腕をベロっと舐める事はそういう関係になったら抵抗ありませんから(笑)。

なかなか女優さんの手を舐めるシーンはないですからねと言ってますけど娼年は・・・?と言いたい!(笑)

多田役の沢尻エリカさんとの初共演はいかがでしたか

松坂桃李

とてもやさしくて、スタッフさんへの気配りもできる方でした。撮影中に僕が誕生日を迎えたんですが、その時も宇相吹っぽい赤い色のお酒をいただいて。

どうしても役的に追う側と追われる側だったので、撮影合間に和気あいあいと話すというテンションではお互いなかったんですが、共演できてたくさん刺激を受けました。

刑事役は初めてとおっしゃっていましたが、序盤から男勝りで腕利きの刑事という説得力がすごく出ていてさすがだなと。多田は唯一、宇相吹のマインドコントロールがききませんが、自分の弱さに勝てるキャラクターの凛とした存在感が素晴らしかったです。

私の感想

男と女、善と悪。対照的な存在が作品を面白くさせていたように感じました。作品の裏側でも役の通りに和気あいあいではなかったのですね。

役作りに徹することが役者や女優には求められるわけですが、そうした芝居に対する姿勢は私たちも見習うべき事かなと感じます。

不能犯は漫画ではまだ連載しているので続編があればまた二人の演技を見たいです。

宇相吹は最後まで謎なキャラクターですが、松坂さんはどのように捉えていますか?

松坂桃李

実は存在しないんじゃないかと思っています。依頼人たちが作り出した存在で、嫉妬や憎しみみたいな感情が大きくなっていくと宇相吹が見えるんじゃないかと。

宇相吹自身は消えたがっているし死にたがっているので、多田のように自分に打ち勝つ存在がもっと増えたらいいと思っているんじゃないかな。大きく捉えると、人間全般へのアンチテーゼのような存在が宇相吹なのかもしれませんね。

私の感想

宇相吹の存在はいたら面白いなと思って漫画を読んだのですが、松坂桃李くんは、流石俳優というべきでしょうか。私は他人をうらやむことがあります。

だからかもしれませんが、宇相吹に殺人依頼をする人間の気持ちもなんとなくわかりますし、闇に堕ちてもいけないとも感じます。

俳優業の世界でも妬みってあるんじゃないのかなって思うのですが、松坂桃李くんのそうした感想を聞くと私自身がどこか心がすれてしまってるんだなって感じます。

最後に劇場にいらっしゃった観客の方へメッセージをお願いします。

松坂桃李

『皆さんは宇相吹が見えますか?そして勝てますか?』ということですね。僕自身、観終わった時に『自分は勝てるだろうか?』と考えてしまいました。

僕も宇相吹が見えてしまうかもしれない小さい種をいっぱい持っていると思うし、日常で誰にでも起こりうる感情だと思います。『もし自分だったら?』とご自身に問いかけて頂き、その感情を持ってこの作品を完成させてもらえると嬉しいです。

私の感想

松坂桃李くんでも宇相吹が見えるのですね。ほっとしたと言いますか、私が見ている宇相吹と松坂桃李くんが見ている宇相吹は違った姿でしょうけれど、お互い宇相吹に打ち勝てるように日々を過ごしたいですね。

私が漫画を読んで映画も観ての感想だけだと面白かったぁで終わるところでしたが、松坂桃李くんのインタビューを読んでみることで自分とは違う角度の面白さを知りました。

不能犯の本当の見どころは自分の心に巣食う闇だったのですね。パンフレットを買って良かったです。

パンフレットの中身

イケメンすぎる!

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