日大アメフト部の宮川選手の記者会見を見ました。とても正々堂々として立派でした。ただ、監督の言いなりになってしまったことだけが本当に残念です。
今回の問題でもですし、山口達也さんの問題でも同じように感じるのですが、傷つくのは本人だから『断る』という選択肢も常に頭の中に持っておくべきなんですよね。
宮川選手はおそらくもうアメフトはしない事でしょう。ですが、同じアメフトをしなくなる結果でも、先に自分が『監督、それは自分には絶対できないです』と言って、アメフト部を去ることだってできてたはずなんです。
そして、山口達也さんの被害者女性も『行きません』と言うべきだったし親御さんも『芸能活動が続けられなくなっても良いから危ないと思った時は断るんだよ?』と言い聞かせていれば傷つかずに済んでいたわけなんですよね。
何て言うか、日本の教育って上から指示されたことは全て従うように仕組まれていますけど、教育の在り方の間違いがこうした問題が起きる要因の一つにもなっていることに、みんなは気づくべきなんです。
今回のアメフトの問題では監督の考え方があまりにも危険で、対戦相手を負傷させたらこちらの得になるだろうというのは、スポーツ精神からかけ離れた思想であり、殺人にもつながりかねない危険な思想です。
私たち日本人は北朝鮮を見て馬鹿にするようなことがありますけど、上から言われたことに服従する様を見ると、私たち日本人も北朝鮮と大して変わりがない事がよくわかります。
宮川選手は『やるしかなかった』と言ってましたが、これはおそらく他の学生も同じ立場になれば同じように言うしかないでしょうし、立場の違う大人でも会社の指示だから断りようがないというのと同じでやるしかなかったと言うでしょうね。
私は今回の記者会見で感じたことは、宮川選手が真相を語ったことで就職活動に大きく影響を及ぼすだろうなという事です。どうしてかというと、内部告発に近いことをしたわけですから、企業にとって不都合なことを話す社員は煙たいからです。
過去に、西宮冷蔵と言う会社が雪印食品の偽装を告発したことで、西宮冷蔵は正しいことをしたのにもかかわらず、業界から締め出しを食らい荷物を預けてもらえなくなって経営困難に陥りました。
本来、こうした不正は正されるべきですが、日本にはブラックな会社が山ほどあり、会社にとって都合の悪いことをしゃべる社員は来てほしくないんですよね。こうした理由から、宮川選手は就活でかなり苦労をするのではないかと心配します。
本当に悪いのは日大アメフト部の監督ですが、やはりその指示を断り切れなかった宮川選手にも今回の問題の要因があります。しかし、彼は彼自身の責任を記者会見の場で果たしましたから、彼の未来が明るいものになってほしいです。
事実を明るみに出すという事で報道関係の仕事をするといいかもしれませんよね。
5月23日追記
この記事はコメントがついていますのでこの問題について興味のある方は是非ご覧になってください。
5月27日追記
この記事のコメントでkenさんが今回のアメフト問題の本質について書いてくださっています。就職活動をしている学生さんにとって本当に価値あるコメントなので是非ご覧になってください。
5月29日追記
就職活動をされている学生さんは、kenさんの2回目のコメント必読。組織人としての心得が書かれてあります。非常に価値の高いコメントですので是非ご覧になってください。